元旦勤行

 新しい年を迎えると、ほとんどの人が「今年こそ、こうしよう」「自分はああしよう」と、何らかの誓いを立てるものです。またそれがあってこそ、新年の意義があります。

 人間が、他の動物などと異なる点を、動物学者たちがいろいろ論じていますが、「誓いを立てる」ということもその一つだと思います。牛や豚、鶏やカラスなどには、年の初めに誓いを立て、それを目標に日々の生活を送るようすは見られません。それらは、年頭に〈今年は自分の住居を、もっと住みやすくしよう〉とか〈今年こそ、自分の欠点を改めることができますように〉などとは誓わないことでしょう。

 人間だから誓いを立てる。すると、誓いを立てないのは、やはり人間らしくないということです。また誓いがあってこそ、人間には進歩や前進があるのです。

 まして仏法では、誓いを立てることを誓願(せいがん)を発(おこ)すと言って、これをとても大事にしています。いな、そもそも日蓮大聖人様は


「人生は自分の思い、一念、この強さ、深さによってすべてが大きく変わる」〔趣意御書1802〕と教えられています。

 このような意味からも、年頭に寺院に参詣し、今年の決意や目標についてご祈念をすることは、人間としてきわめて大事な、重要なことであり、さらにご信徒としても仏法上、誠に立派なことです。