妙縁寺では、2月16日の午前10時と午後7時に、御誕生会を行なっています。
御誕生会は、僧俗がそろって、日蓮大聖人様の末法ご出現をお祝い申し上げ、自身の仏道修行へのいっそう精進をお誓いする行事です。
インドの 釈尊 は、大集経(だいしっきょう)に「末法という時代には、闘いや争いが盛んになり、自身の説いた法の教えや力などの一切が失われてしまう」と告げられています。この末法とは、日本で言えば平安時代の末の、ちょうど藤原氏の権力が衰退し、新たに武士が台頭し始めたころです。
ともあれ、この仏教の「一大危機」とも言うべき時に、「釈尊よりも偉大な人格者が出現し、釈尊の教え・修行・ 功徳 を越える大仏法、大白法を建立し、すべての衆生をことごとく救うであろう」とのご予言が、法華経〔趣意 法華経516〕に説かれています。そのことを、また法華経には、
「末法の世に、妙法が広宣流布する」〔趣意 同前539〕
とも示されています。しかも、その末法に妙法が広がることについては、中国の天台大師が、
「末法の時は、多くの人が妙法の功徳に浴すであろう」〔趣意 顕仏未来記675〕
と述べ、日本の伝教大師も、明確に、
「末法という時代が、いよいよ近づいてきた」〔趣意 顕仏未来記 同前〕
と、末法に憧れる言葉を残しています。
これらの経文や言葉どおりに出現されたのが、御本仏日蓮大聖人様です。
そのご誕生は、安房国片海(あわのくにかたうみ)の三国大夫(みくにのたいふ・
)(貫名次郎)重忠を父とし、梅菊女を母として、貞応元(1222)年の2月16日でした。そして建長五(1253)年の春、 宗旨 を建立され、以来、多くの法難を忍ばれつつ、すべての人に、
「南無妙法蓮華経と唱えれば、すべての 罪障 を消滅させ、あらゆる幸いを招くことができる」
〔趣意 聖愚問答抄406〕
とのお題目を唱えさせて、本物の幸せ、即身成仏を得させるために、そのご生涯をかけられたのです。